Rika

2022年12月30日7 分

フォニックスってなに?学習のメリット・デメリットについて

最終更新: 2023年8月8日

こんにちは!西原町@沖縄で「ハピッシュ英会話スクール」という小学生向けの英会話スクールを開講しているRikaです。

英語学習において「フォニックス(Phonics)」という言葉を聞いたことはありませんか?

フォニックスは、読み書きを教えるために開発された指導法(学習法)で、英語圏では、幼少期の英語学習に使われる一般的な英語学習法です。

一方で、日本の公立学校の英語教育でフォニックスを導入しているところはほとんどありません。

そこで今回は、日本ではまだ馴染みの少ない「フォニックス」という英語学習法についてお話をしたいと思います。

フォニックスとは?

フォニックスとは、「英語の文字(アルファベット)とそれが表す発音を結びつけるルール」を学ぶ学習法です。

日本語のひらがな、カタカナに読み書きのルールがあるのと同じように、英語のアルファベットにも読み書きのルールがあります。

日本語の場合、50音のひらがなを覚えていけば、そのままひらがなの文章が読めたり、書けたりするようになりますよね。

一方で、英語はというと、アルファベットを26文字を覚えたとしても、残念ながら英語を読むことはできません。

フォニックスでは、アルファベット1文字または複数文字の発声方法を学びます。

例えば、「s(エス)」であれば、フォニックスでは「ㇲ」(※実際は日本語の「す」とは音が違います)という音を実際に発音しながら学びます。

このルールを身体が覚えると、子供たちは文字を見ただけでその音を想像し、組み合わせて単語を読むことができます。

次の単語も、意味が分からなくても、最初の1文字は発音できるようになります。

・snake (ヘビ)
 
spider (クモ)
 
sun (太陽)

また、逆に音を聞いただけでその文字を思い浮かべ、書くことができるようになります。

・♪ ”スネイク” → ”s…”
 
・♪ ”スパイダー” → ”s…”

・♪ ”サン” → ”s…”

このようにフォニックスは英語の読み・書きのルールを学ぶ学習法なんです。

英語圏では幼少期からフォニックスを習う

英語圏の子供たちは、自然に話す能力を身につけるため、そして読み書きのスキルを磨くために幼少期から徹底的にフォニックスを学びます。

言語を構成する音を理解することによって、新しい単語を音読したり、スペリング(筆記)を手助けしてくれるんですね。そのため、言語学習の基礎を築く上でフォニックスはとても有効なメソッドだと言えます。

フォニックスのメリット

フォニックスの最大のメリットは、先にお伝えした通り、英語の音と文字の関係性を理解することができることです。これにより、子供たちは新しい単語を読む力や、スペリング能力を身につけます。また、フォニックスは子供たちの読解力を向上させ、語彙を増やし、英語学習に対する自信をつける上でも大変役立ちます。

フォニックスのデメリット

あわせて、フォニックスのデメリットも挙げておきます。

フォニックスのデメリットとして挙げられるのは、英語には多くの例外的なスペルも存在するため、すべての英単語をフォニックスでカバーできない点です。ただ、このことを事前に知っておくことさえ出来れば、英語を学ぶ子どもたちにとって、大きな障害とはならないように感じています。

たとえば、「ひっかけ単語」("Tricky Words")等がその例外にあたります。

「the」「your」「said」など不規則なつづりの単語だったり「made」「like」「eight」など、最初の段階のフォニックスでは学んでいない知識が必要な単語がこちらにあたります。

ただ、多くの子どもたちは何度も練習していくうちに、自然に覚えていくので、一般的には大きな問題とはならないことがほとんどです。

日本人はなぜ英語の発音が苦手なの?

英語と日本語は音の構造が大きく異なるため、多くの日本人が英語の発音に苦労します。

英語の音は日本語には存在しないものが多くあるため、日本人には特に発音の練習が必要となることが多いんですね。

日本では未だフォニックスは重要視されていない?

日本の英語教育では、主に文法や語彙の習得に重きを置いていました。

しかし、日本社会においても近年グローバル化に対する意識が高まり、英語の音とスペルの関連性を理解することで、英語の読み書き能力を向上させることができるというフォニックスの重要性が徐々に認識されつつあります。

フォニックスの指導法は複数ある

フォニックスは、英語の文字と音を結びつける学習法ですが、大きく分けて2種類の指導法があります。

1つ目はアナリティック・フォニックス(analytic phonics)、2つ目はシンセティック・フォニックス(synthetic phonics)です。

アナリティック・フォニックス

1980年代後半から普及し始めたフォニックスの学習法のひとつで、アメリカで主流のフォニックスです。

今日まで、日本で普及してきたフォニックスの代表的な学習法でもあります。

アナリティックは「分析的な、分解の」という意味。「すでに知っている単語を分析・分解して綴りのルールを学ぼう」というフォニックスなのです。

appleの「a」、bearの「b」、cowの「c」といった感じで、知っている単語から文字とその音を切り取って学んでいきます。

たとえば「a」の音を学ぶときは、「apple」「angry」「ants」などの知っている単語を並べ、共通しているものはなにかな?そうか、「a」という文字は「ア」と読むのか!といった具合に分析して、音のパターンの認識を深めていきます。

「アナリティックフォニックス」は、次のような方におすすめです。

・ある程度の語彙力がある子ども

・英語力の下地がある大人

シンセティック・フォニックスとは

1990年代後半から普及し始めた新しいフォニックスで、近年イギリスなどで主流になっています。

シンセティックは「くっつける」という意味。「シンセティック・フォニックス」では、個々の文字の音を組み合わせて単語にしていきます。

1つ1つの音を学んだら、学んだ順に組み合わせて単語として読んでいきます。

たとえば/c/ はc、/a/ はa、/t/ はtというように英語の「音」と「つづり」の関係を指導し、それをすぐにくっつけて「cat」と読めるようにしていきます。

シンセティックフォニックスの中で、より子どもたちが他のしく習得できるように工夫、考案されたフォニックス(指導法)の1つに、「ジョリーフォニックス」と呼ばれる学習指導法があります。

ジョリーフォニックスは1987年に設立されたイギリスの出版社の教材で、世界100カ国以上で児童向けの英語学習に用いられています。

ジョリーフォニックスは、子供たちが英語の音を理解し、自然に使えるようになるために、ゲームや歌など身体を動かしながら楽しく自然にフォニックスのスキルを身につけることができ、私のスクールでも導入している学習指導法なんです。

私の学生時代には、単語を丸暗記するしか教わらなかったのに・・・

「私もこんな風に学びたかったな~」

「子どもたちには、こんな風に楽しみながら英語を習得してほしい!」

初めて「ジョリーフォニックス」というメソッド(指導方法)に出会ったときの感動は

今でも忘れることが出来ません!

そんな強い思いから、自分自身のスクールに、「ジョリーフォニックス」を導入することを

決めたほどです。

フォニックスの学び方

お子さんが通っている幼稚園、小学校で早くからフォニックスが導入されていることが望ましいのですが、残念ながらフォニックスを導入している幼稚園・小学校は非常に少なく、フォニックスを学べる環境をパパ・ママが作ってあげる必要があります。

学校以外の方法で、フォニックスを学ぶには次のような方法があります。

  1. 音声CD付きの学習本を使って学習する

  2. Youtubeなどの動画教材を使って学習する

  3. フォニックスを導入しているスクールで学習する

ただ、1,2についてはフォニックスでの学習経験がないパパ・ママの家庭では楽しく子どもだけでフォニックスを学ぶというのは少しハードルが高いように思います。

そのため正しい読み書きを学ぶにはやはりフォニックスを導入している近所のスクールをさがしてみることをおすすめします。

いかがでしたでしょうか?

フォニックスの魅力が伝わったでしょうか?

フォニックスだけでなく、ジョリーフォニックスの魅力についても、次以降に詳しい記事を書いていこうと思います。

お楽しみに~♪